2018年6月20日
コラム
8日朝に発生した、大阪府北部を中心に最大震度6弱を記録した大地震。
まず、今回の地震に遭われた被災者の皆様にお見舞い申し上げます。
建築にかかわる仕事をしていて、
地震が起こるたびにいつも思うのは、
私たちが造る建築物(擁壁やブロックも含め)は、
災害が起こる前までは、私たちを雨風から守ってくれるものですが、
いざ、災害が起き建築物が壊れたりするときに、
簡単に人を巻き込んで、簡単に人の命を奪ってしまうものなんだなって、
考えさせられます。
しかし、いざ計画したり造っているときも、
コストやデザインのことが先に立ち、
建物の災害時の安全性をおざなりにしがちです。
改めて、コストよりもデザインよりも
安全性が重要であることをお客様に伝えることを意識していきたいと思います。
常に大地震を警戒
私は地域の消防団に所属していますが、
消防学校に研修に行った際に、講師の先生が話していたことを、
なるべく実行するようにしています。
「常に災害を意識する」
小さな簡単なことですが、
これだけでも生き延びる可能性は大きくなります。
なにかあったとき、ラジオは一番の情報源になります。
もしかしたら、車を回している時間があだとなり命を落とす可能性もあります。
家づくりも同じです。
常に地震のことを考えた家づくりをお勧めしています。
恐怖心をあおるのはよくありませんが、お伝えすることは大事です。
守られる大切な命があることを考えます。
当たり前になった耐震等級3
最近「耐震等級3」を大きくかかげて売り出すビルダーは少なくなりました。
当たり前になったと認識してもいいかもしれません。
すごく喜ばしいことです。
現在進行中でお客様よりアパート新築のご依頼をいただいております。
アパートとなると、たくさんの人がその建物に住むことなります。
災害時にたくさんの人の命を守るために、
迷いなく耐震等級3で軸組みを検討することをお勧めさせていただきました。
快くご理解いただきまして設計中です。
いろいろ考えるとセカンドハウスも取り入れるべきと思っています。
まずは伝えることです。
耐震等級4の必要性
「政府の有識者で耐震等級4の必要性を検討している」
という話を耳にしたことがあります。
どういう家が耐震等級4になるのか?というと、
「耐震等級3+制震」とのことです。
正式な耐震等級として確立されるかはわかりませんが、
常に大地震を意識するということを念頭にけば、
そういう家づくりがあることをお客様にはお伝えするべきと考えています。
熊本の震災では繰り返しの地震がさらなる被害をもたらしました。
1度目の揺れの衝撃を少しでも建物全体に散らすことができたら、
まだ倒壊する建物は少なかったかもしれません。
「耐震等級3+制震」の考えが「耐震等級3」のように
何らかの形で当たり前になっていってほしいなと思います。
予言は本当?
大きな地震がどこかでおこると地震予知の話題がメディアとかであがります。
一瞬、恐怖を感じ目をそむけたくなりますが、
起きるかもしれないと思っていろいろ用意していたほうが、
もし起きた時に良かったと思うし、
起きなくても結果いちばん良いので、
そのことを思い出させてくれる予言は参考にすべきかもしれません。
今回の大阪北部地震を受けて
常に災害を意識することや対策を伝えることって
すごく大事だなと思いました。