2025年9月23日

コラム

介護しやすい間取りを実現するポイントと具体的な設計例

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高齢のご家族の介護を検討されている方、あるいは将来に備えて介護しやすい住環境を計画されている方は、快適で安全な生活空間を築くためのヒントを探していらっしゃるのではないでしょうか。
今回は、介護しやすい間取りのポイントを解説します。

介護しやすい間取りのポイント

安全で快適な生活空間の間取りとは

介護が必要な状況下では、転倒やケガのリスクを最小限に抑えることが不可欠です。
そのため、段差をなくすバリアフリー設計や、車いすでの移動を考慮した広々とした空間が求められます。
また、急な体調変化にも対応できるよう、各部屋へのアクセスが容易で、スムーズに移動できる動線を確保することが重要です。
さらに、具体的には廊下やドアの幅を広く確保し、スムーズな車椅子移動を可能にすることが求められます。
加えて、部屋の配置も考慮し、寝室、トイレ、浴室といった主要な部屋へのアクセスが容易な間取りにすることが大切なのです。

介護者の負担を軽減する間取りとは

介護者は、常に高齢者の身の回りの世話をしなければなりません。
そのため、介護者の負担を軽減する工夫が施された間取りが理想的といえます。
具体的には、家事動線と介護動線を考慮し、効率的な家事と介護を両立できるよう設計することが重要です。
例えば、キッチンとダイニング、寝室、トイレ、浴室といった主要な部屋が近接している間取りであれば、介護者の移動距離を短縮し、負担を軽減することができます。
また、介護用品の収納スペースを確保し、必要なものをすぐに取り出せるようにすることも重要です。
さらに、動線を意識することで、介護者の肉体的、精神的な負担を軽減することに繋がります。

将来の生活変化に対応しやすい間取りとは

高齢者の状態は時間とともに変化します。
そのため、将来の生活変化にも柔軟に対応できる間取りが望ましいといえます。
例えば、車椅子が必要になった場合でもスムーズに移動できるよう、廊下やドアの幅を広く確保することが重要です。
また、介護ベッドを設置できるスペースを確保したり、手すりの設置場所をあらかじめ考慮しておくことも必要です。
さらに、将来的なリフォームや改修に対応できるよう、壁や床の素材、配管なども考慮した設計にすることが大切です。
例えば、将来、家族構成の変化などで部屋の用途を変更する必要が生じた場合にも、対応しやすい間取りにしておくことで、無駄な費用や手間を省くことができます。

介護しやすい間取りの具体的なポイントは?

段差のないバリアフリー設計

段差は転倒事故のリスクを高めます。
そのため、玄関や廊下、トイレ、浴室など、あらゆる場所に段差がないバリアフリー設計が不可欠です。
スロープの設置や段差解消のための工夫は、安全性の向上に大きく貢献します。
また、床材も滑りにくい素材を選ぶことで、転倒リスクをさらに軽減することができます。
さらに、玄関ポーチに手すりを設置することで、高齢者の安全性をさらに高めることができます。

車椅子でも移動しやすい広い通路幅

車椅子を使用する場合、通路幅が狭いと移動が困難になります。
そのため、車椅子がスムーズに回転できる程度の十分な通路幅を確保することが重要です。
一般的に、車椅子が通行できる通路幅は90cm以上と言われています。
しかし、より快適に移動するためには、120cm以上の通路幅が望ましいでしょう。
また、廊下だけでなく、各部屋のドアも車椅子がスムーズに通過できる幅にする必要があります。
加えて、ドアの開閉方法も、引き戸や折り戸にすることで、車椅子での通行をよりスムーズにすることができます。

適切な場所に手すりを設置

手すりは、立ち上がりや移動の際に重要な役割を果たします。
トイレや浴室、廊下など、必要な場所に適切な高さの手すりを設置することで、高齢者の安全性を高め、転倒リスクを軽減することができます。
手すりの材質や設置位置も、高齢者の身体状況に合わせて考慮する必要があります。
また、手すりの形状や色も、周囲の環境に調和するものを選ぶことで、より快適な生活空間を創出することができます。
例えば、握りやすい形状の手すりや、温かみのある木製の手すりなど、様々な種類があります。

介護しやすい間取りに必要な広さとは?

車椅子での移動を考慮した通路幅

車椅子での移動を考慮した通路幅は、介護しやすい間取りにとって非常に重要です。
車椅子がスムーズに回転できる程度の十分な広さを確保する必要があります。
具体的な数値は、車椅子のサイズや、使用する人の身体能力によって異なりますが、一般的には90cm以上が目安とされています。
また、通路に家具や物を置かないようにすることで、車椅子での移動をスムーズに行うことができます。

介護ベッドを設置できるスペース

介護ベッドを設置するためには、十分なスペースが必要です。
ベッドのサイズや、介護が必要な状況下での動線を考慮し、十分な広さを確保する必要があります。
さらに、ベッドの周囲に介助者が動き回れるスペースも必要です。
また、ベッドサイドに収納スペースを設けることで、必要なものをすぐに取り出せるようにすることも重要です。

介助者のためのスペース確保

介護者は、高齢者の身の回りのお世話をするため、十分なスペースが必要です。
ベッドの周囲だけでなく、介護用品の収納スペースや、介助者が休憩できるスペースも確保する必要があります。
また、介護者のためのスペースを確保することで、介護者の肉体的、精神的な負担を軽減することができます。
さらに、介護者と高齢者がコミュニケーションを取りやすい空間を作ることも大切です。

まとめ

介護しやすい間取りは、高齢者の安全と快適な生活、そして介護者の負担軽減に大きく貢献します。
バリアフリー設計、十分な通路幅の確保、適切な場所への手すり設置、そして各部屋の配置など、細やかな配慮が重要です。
この記事で紹介したポイントを参考に、ご家族の状況に最適な間取りを計画し、安心して暮らせる住環境を築いてください。

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