2025年12月18日
コラム
平屋での暮らしをより豊かに、そして効率的にするための住まいづくりは、多くの人が抱く理想です。
限られた敷地面積を最大限に活かし、日々の生活動線をスムーズに、そして心地よい空間を創り出すためには、間取りの工夫が欠かせません。
特に、通路としての役割が主だった廊下をなくすという発想は、居住空間の質を大きく向上させる可能性を秘めています。
無駄を削ぎ落とし、開放感と機能性を両立させた住まいが、ここから始まります。
廊下という通路空間を排することで、その面積を直接的な居住空間に転換させることが可能になります。
従来、廊下として消費されていた床面積をなくすことで、居室の広さを確保したり、ウォークインクローゼットや書斎、趣味のスペースといった新たな機能空間を創出したりできます。
結果として、同じ建坪面積であっても、より広く、より有効活用できる住まいが実現し、居住者一人ひとりが快適に過ごせる空間のゆとりが生まれます。
廊下をなくした間取りでは、各部屋へのアクセスがリビングや共有スペースを経由する形になることが多く、結果として自然とリビング中心の回遊動線が生まれます。
例えば、キッチンから直接洗面所へ、洗面所からリビングへ、リビングから寝室へ、寝室から再びキッチンへと、家の中をぐるぐると回遊できる動線は、移動が短縮され、日々の生活が格段にスムーズになります。
特に、小さなお子さんや高齢者がいる家庭では、常に家族の気配を感じながら移動できる安心感にも繋がります。
建物の建築コストは、総床面積に比例して増加する傾向にあります。
廊下をなくすということは、その部分の建築資材や工事費が不要になることを意味します。
さらに、同じ建築面積でより多くの居住空間を確保できるため、坪単価あたりの居住空間の広さという観点から見れば、コストパフォーマンスが向上すると言えます。
初期投資を抑えつつ、より広い住まいを手に入れたいと考える方にとって、廊下をなくす間取りは非常に魅力的な選択肢となり得ます。

廊下がないことで、各居室が直接リビングに接したり、互いに近接したりする機会が増えるため、プライバシーの確保が課題となることがあります。
この課題に対しては、壁の配置や家具のレイアウト、収納スペースの活用といったゾーニングの工夫が有効です。
例えば、個室の入り口をリビングから少し奥まった位置に配置したり、壁面に沿って背の高い収納家具を設置して視線を遮ったりすることで、音や視線の干渉を最小限に抑え、各空間の独立性を高めることができます。
廊下がないことで、部屋の奥まで自然光が届きにくくなったり、風の通り道が限定されたりする可能性があります。
この問題を解決するためには、窓の配置や種類に工夫が必要です。
例えば、壁面全体を窓にする、高窓や横滑り窓といった多様な窓を効果的に配置する、あるいは光を室内に取り込むための内部窓や、空気の流れを促進する吹き抜けなどを設けることが有効です。
これにより、廊下がないことによる閉塞感を解消し、明るく風通しの良い居住空間を実現できます。
廊下をなくすことで、空間全体が一体化し、開放感が増す反面、必要に応じて空間を区切りたい場合に不便を感じることもあります。
このような場合、間仕切り壁や引き戸、可動式のパーテーション、あるいはデザイン性の高い建具などを活用することで、空間の柔軟性を確保することができます。
普段は開放的なワンルームとして利用し、来客時や就寝時など、必要に応じてプライベートな空間を作り出すといった、暮らし方に合わせた使い方が可能になります。

このパターンは、全ての居室がリビングに直接面しているシンプルな構成です。
家族が集まるリビングを中心に生活が営まれるため、家族間のコミュニケーションが自然と生まれやすく、お子さんの様子を見守りやすいというメリットがあります。
また、各部屋への移動距離が短くなるため、家事動線や生活動線が効率的になります。
ただし、各居室のプライバシー確保や、リビングを通る際の生活音への配慮は、間取り設計において重要な検討事項となります。
建物の中心に中庭やパティオを設けることで、そこから各居室へアクセスする間取りです。
中庭を設けることで、建物の奥まった部屋にも十分な採光と換気を取り入れることができ、外部からの視線を遮りつつ、緑や光を感じられる開放的な空間が生まれます。
各部屋は中庭に面して配置されるため、プライバシーを保ちながらも、自然光や心地よい風を取り込むことが可能です。
中庭は、家族の憩いの場としても活用できる魅力的な要素となります。
廊下をなくすことで、キッチン、洗面所、浴室、洗濯スペースといった水回りを効率的に配置し、回遊できる動線を作り出すことが可能です。
例えば、キッチンから直接洗面所へ、洗面所から浴室へ、そして洗濯物を干すバルコニーへ、といったように、家事を行う上での移動がスムーズになります。
これにより、家事にかかる時間や労力を大幅に削減でき、日々の暮らしがより快適になります。
この動線は、生活動線全体を最適化する上でも有効なアプローチです。
廊下のない平屋の間取りは、デッドスペースをなくして居住空間を最大限に活用し、リビング中心の回遊動線によって生活をスムーズにする、コストパフォーマンスにも優れた住まいを実現する有効な手段です。
プライバシー確保や採光・換気といった課題に対しては、ゾーニング、窓配置、間仕切りなどの工夫で解決できます。
全室リビングアクセス型や中庭活用、回遊できる水回り動線といった具体的なパターンを参考に、無駄なく、そして豊かに暮らせる理想の平屋の実現を目指してみてはいかがでしょうか。
MonoHousing早川建設では、経済的な側面から計画的に家づくりを「安心」して進めていくことができるようお手伝いいたします。
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